iOS14.3でアンロックされた、「Apple ProRAW」で撮影して、Mac上でLightroom Classicを使って現像してみました。
なかなかイイ感じですね。
あえて暗部を必要以上に持ち上げた現像をしてみましたが、ダイナミックレンジも意外と広いみたいです。
Apple ProRAWとは?
iOS14.3で新たにアンロックされた、iPhoneのカメラの新しい機能です。
カメラで撮影し、後処理まで行われたデータを、DNG形式のRAWファイルとして出力してくれる機能です。
ようは、写真アプリにJpegやHEICではなくDNGで保存される訳です。
JpegやHEICは非可逆圧縮なので情報の欠損が発生しますが、DNGは可逆圧縮なので情報の欠損無しに写真を保存する事ができます。
このため「現像」と呼ばれる、ユーザによる撮影後の調整作業に向いた写真データを取得できます。
代償として、ファイルサイズが大きいです。(写真一枚=約25MB未満)
ストレージを圧迫すると言う事は、頭に入れておきましょう。
Apple ProRAW対応機種
この記事を執筆している2020年12月16日現在、Apple ProRAWに対応しているiPhoneを以下に示します。
- iPhone12Pro
- iPhone12ProMax
iPhone12シリーズであっても、iPhone12とiPhone12Miniは非対応です。
ご注意ください。
Apple ProRAWを有効にする方法
事前に行っておく設定と、撮影時に行う操作があります。
事前設定
ホーム画面にて設定アイコンをタップし、カメラ→フォーマットと辿っていくと存在する「Apple ProRAWチェックボックス」を予めONにしておく必要があります。
撮影時
カメラアプリを起動した画面です。
右上の方に、「RAW」と書いてあって斜線が入っているアイコンがあります。
ProRAWで撮影したい時はこのアイコンをタップします。
すると斜線が消えます。
斜線が入っていない状態で写真を撮影するとProRAWで保存されます。
撮影した写真は
- iPhoneの写真アプリを用いて現像する
- AirDropを用いてMacに転送し、現像する
- iCloudを用いて写真を同期し、Macで現像する
などの方法で扱う事ができます。
ファーストインプレッション
左が現像前、右が現像後です。スライダーを動かす事で比較できます。(=゚ω゚)ノ
画像が少しズレて見えるのは、現像作業で傾き補正も行なっているからです。
iPhone12ProMaxの広角カメラで撮影しました。
暗部を必要以上に持ち上げた、わかりやすい現像にしてあります。
持ち上げた暗部にノイズは見当たりませんし、意外とダイナミックレンジが広そうですね。
常に持ち歩いているスマートフォンのカメラで撮影して、ここまでに仕上げる事ができる。
イイ機能ですね。これ。
ただし欠点も
写真左の方の木が生い茂っている部分を拡大したスクリーンショットです。
かなりディテールが失われていて、アニメ絵のようになっています。
iPhoneの高性能なプロセッサでApple独自のロジックを用いて見栄えを良くしている写真とは言え、スマートフォンの小さな画像センサで撮影した写真ですから、限界はあります。
無から有は作り出せませんから、こういう部分は仕方がないと思います。
Macで4Kカラーマネジメントモニタを用いて、LightroomClassicを使って現像しているので、こういった短所が目についてしまいます。
やはり、フルサイズミラーレスなどの大型画像センサを備えたカメラには、遠く及ばないという印象です。
素晴らしい機能だと思います
フルサイズミラーレスカメラと比較すると欠点も目立つとはいえ、スマートフォンのカメラでここまでできる。
素晴らしいと思います。
iPhone12ProMaxを購入して正解でした。
普通のコンデジがスマートフォンに駆逐されて久しいですが、これならハイエンドコンデジも不要になったかもしれません。
ミラーレスや一眼レフなどのレンズ交換式カメラを所有している方にこそオススメしたい機能だと思います。
こだわりのある人にこそ、響く機能ですよね。
逆に、普通の方にはオーバースペックな機能かもしれません。
「シャッターボタンを押したら写真が撮れる」以上を求めていない方には、不要な機能ですよね。