SONY Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM SAL50F14Z 歪曲 軸上色収差 検証

SONY Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM SAL50F14Z

世間で酷評されているこのレンズ。
「本当に世間の評価は正しいのか?」検証です。

結論から言うとレンズ単体として見た場合、世間の評価は正しいです。
しかし名玉CanonEF50mmF1.2Lと比べてもそんなに劣っていないです。

また欠点はすべてソフトウェア処理で後補正できる物であり、ある意味「デジタルカメラのレンズとはどうあるべきか?」という問を究極まで突き詰めた1本とも思えます。

詳しくは以下をご参照ください。

歪曲検証

壁打ちした写真をRAW撮って出しで以下に示します。
不審者と勘違いされても困るので手持ちでサッと撮ってます。
壁と水平が撮れていない事はご容赦ください。
また日陰で撮っているので暗い写真になってますが検証の意義を考えてあえて無調整です。ご理解ください。

Planar50mmF1.4 RAW撮って出し

Planar50mmF1.4 RAW撮って出し

うん。
樽型に歪曲してますね。
世間の評価は間違ってないですね。(^_^;)
やっぱPlanarって名前のレンズが歪曲していると少なからずショックです。(ヽ´ω`)

ちなみにSONYのRAW現像ソフト「Image Data Converter バージョン 4.2.02.10112」で見ると歪曲補正してます。

Planar50mmF1.4 ImageDataConverterで撮って出し

Planar50mmF1.4 ImageDataConverterで撮って出し


SONY〜!!
Adobeにもレンズプロファイルを提出してください。m(_ _)m

追記:2014年2月22日:「Adobe Photoshop Camera Raw 8.4 RC for CS6」でこのレンズのレンズプロファイルがサポートされています

以下の記事をご参照ください。
Adobe Photoshop Camera Raw 8.4 RC for CS6

私はこのレンズに絶望してAマウントシステム一式売却してしまったのですが・・・早まったかな(・・?

 

でもね。
ここからちょっと面白い検証。
試しにZeiss50mmF1.4(たぶんコシナの奴)のレンズプロファイルを適用してみたいと思います。

Planar50mmF1.4(たぶんコシナの)レンズプロファイル適用

Planar50mmF1.4(たぶんコシナの)レンズプロファイル適用

なんかイイ感じに補正されていると思いません?
逆に考えるとコシナのZeiss50mmでも同程度の歪曲はあるって事だよね。

ちょーしこいて名玉CanonEF50mmF1.2Lのレンズプロファイルを適用したらどうなるかも試してみたいと思います。

Planar50mmF1.4(CanonEF50mmF1.2Lの)レンズプロファイル適用

Planar50mmF1.4(CanonEF50mmF1.2Lの)レンズプロファイル適用

コレもなんか良い感じに補正されていると思いません?
名玉CanonEF50mmF1.2Lでも歪曲はあるって事だよね。

つまり高級単焦点レンズでもこの程度の歪曲は当たり前だと。
このレンズが他と比べて特別歪曲が酷い訳ではないって事だよね。
その意味では「別段気にする必要無いのかな?」と思います。
記事の最後に作例を示しますが実写では問題にならないしね。

軸上色収差検証

ちょーしこいて絞り開放で撮ったりするとこんな事になります。(^_^;)

ニャンコ

軸上色収差補正前

ニャンコの手前側が紫っぽくなっていて、ニャンコの辺りが緑色っぽくなっているのが判るでしょうか?
これは軸上色収差って奴です。
まさか明るさが取り柄の高級単焦点レンズで出るとは・・・(^_^;)

ここも世間の評価は間違ってないですね。(^_^;)

通常軸上色収差は絞れば改善します。
「じゃあどこまで絞れば改善するのさ?」って事で検証してみました。
拡大写真です。
左目に紫色が出ていて、右目に緑色が出ているのがわかると思います。

軸上色収差 F1.4

軸上色収差 F1.4


軸上色収差 F1.6

軸上色収差 F1.6


軸上色収差 F1.7

軸上色収差 F1.7


軸上色収差 F2.0

軸上色収差 F2.0


軸上色収差 F2.2

軸上色収差 F2.2


軸上色収差 F2.5

軸上色収差 F2.5


軸上色収差 F2.8

軸上色収差 F2.8

F2.8で消えてますかね(・・?
でも・・・まあ・・・これは出ている部分を拡大した画像なので・・・実用上はそんなに絞らなくても大丈夫です。
個人的には「F2.2辺りが妥協点かな?」と思います。
A4位の大きさで鑑賞するならたぶんF2.2まで絞って撮影していれば気にならないと思います。
PhotoshopLightroomを使えば補正もできるので撮影する時は気にしないで、現像する時注意するのもアリですね。

個人的には「絞りを開けて撮影する時もF2.2を下限と考えて、シャッタースピードが足りないてISO感度を高くしなければならない時だけトレードオフで考える。」と言う使い方が良いかなぁと思います。

考察

SONYが満を持し出したZeissブランドの50mm単焦点レンズって事で世間の期待値が大きくなり過ぎた。
これが真実なのかな?と思います。

欠点はすべてソフトウェア処理で後補正可能な物です。
「デジタルカメラのレンズとはどうあるべきか?」という問を究極まで突き詰めた1本。
使っていてそのようにも感じます。

現在ではAdobeのレンズプロファイルも追加されたので軸上色収差が気にならなければ・・・
私は偽色嫌いなのでこの軸上色収差は許せないかな。(・・?

作例

最後に作例を示したいと思います。
実写だと問題無いでしょ?

Planar50mmF1.4作例 フランス公使館後

F10 ISO1000 SS1/60秒


Planar50mmF1.4作例

F1.4 ISO100 SS1/4000秒


Planar50mmF1.4作例

F1.4 ISO100 SS1/200秒


Planar50mmF1.4作例

F4.5 ISO100 SS 1/80秒

4 thoughts on “SONY Planar T* 50mm F1.4 ZA SSM SAL50F14Z 歪曲 軸上色収差 検証

  1. 石川雅之

    初めまして、おはようございます。
    石川と申します。
    歪曲の補正の仕方を勉強させて頂きました。
    ありがとうございます!

    下記SONY のサイトでは、α99 でこのレンズを使う場合、本体側で歪曲収差の補正を自動で出来ると書かれています。

    これを入にした状態でもこれほど歪むのでしょうか?
    もしお差し支えないようでしたらお答えください。
    α99 は使っていますが、このレンズを使ったことがないもので歪曲が気になって購入をためらっています。

    返信
    1. marbee 投稿作成者

      石川雅之さんご訪問&コメントありがとうございます。

      試してはいませんが・・・ファイルの出力形式として「jpeg」を選択している場合は自動補正されると思います。
      RAWはメタデータなので当然ですがこの手の補正前のデータです。
      RAWについて詳しくない場合は以下に示すページに判り易い解説の動画を貼り付けて置いたので御覧ください。
      http://www.marbee.info/2012/07/25/2599/

      α99クラスのカメラを使う人なら「jpegで記念撮影するだけ。」と言う事は無いでしょうから・・・よくご検討ください。

      もしα99に使う明るい50mmの単焦点レンズを探していて・・・かつ急いでいないなら・・・SIGMAの新型の50mmも検討された方が良いと思います。
      SPECやSIGMA35mmF1.4の実績からすると50mmも期待できると思います。
      SIGMAのレンズならAdobeのエコシステムにもレンズプロファイルが提供されるのでPlanar50mmより手堅いかも知れません。
      http://www.marbee.info/2014/01/07/18397/

      返信
      1. 石川雅之

        marbee さん、ありがとうございます。確かにRAW も同時に記録しています。
        SSM 搭載と云うことでPlanar 50mm F1.4 を検討しましたが、使い勝手と伸縮しないボディでSonnar 135mm F1.8 を選ぶかも知れません。
        ありがとうございます。

        返信
        1. marbee 投稿作成者

          50mmと135mmでは使用用途が全く違うので・・・代替候補にはならないと思います。(^_^;)
          「何を撮る為にレンズを買うのか?」もう一度考え直した方が良いと思います。

          返信
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