販管費はプロパー社員にしか乗らない!!
世はITデフレ。
見積もりの金額を安くして契約を受注する事にみんな必死である。
大手SIerの販管費(=管理職や間接部門の経費)は異常に高い。
給料25万程度の社員の人月単価が100万円になってしまったりする程に高いのだ!!
見積もりはどうなるか?
ITシステム構築の見積もりで一番大きいのは人件費である。
見積もりを安くする=どうやって人件費を少なくするか?
ここで原価計算のマジックが登場する。
外注員には販管費が乗らないのだ!!
そこで管理者としてペーペーのプロパー社員を一人置いて、後は外注員でチームを組んでしまうのだ!!
結果人月単価が50万円〜80万円の外注員を使ってもプロパー社員でチームを組むより安い見積もりとなるのだ。
コミュニケーションもろくに取れない中国オフショア開発等に見積もりを向かわせるのだ。
しかし・・・このような無茶な体勢で挑んだプロジェクトがどうなるか・・・まあ十中八九デスマーチになりますな。(ヽ´ω`)
私の考える正しい原価計算
外注員も結局は管理しなければならないのだから販管費は多少の重み付けの違いを付ける程度にして、プロパー・外注員関係無くチームのメンバー全員に乗せるべきだ。
そうすれば単純に販管費を稼ぐ人間が多くなる分、販管費自体の単価は安くできるハズだ。
本来であれば以下に示す姿が望ましいと私は考える。
- 販管費はチームのメンバー全員に乗せる
- 結果プロパー社員の方が人月単価は安い
- しかし保守フェーズに入る等して仕事が細った時にプロパー社員だと首を切れないので赤字になる可能性がある
- だから多少割高になってもチームに外注員も入れて柔軟に人件費の調整をできるようにする
これならばプロパー主体のチーム編成になるのでプロパーも実装の経験を詰めるようになるハズである。
長い目で見ればチームの技術力やパフォーマンスは良くなるハズである。
デスマーチは減るハズである。
しかし現実は厳しい
事が原価計算の方法だけに会社の決算の仕方・・・引いては会社の仕組みそのものに関わる問題なのだろう。
私は原価計算の教育の場や上司等にこの事を訴えて来たが皆一様に話を濁してとり合ってくれない。
この問題を一社員が改善する事は不可能だと感じている。
管理職・・・引いてはSIerの経営者がこの問題に真摯に向かい合わなければ解決しないだろう。
提言
SIerの管理職や経営者は成果主義を振りかざして部下に無茶を押し付けるのを今すぐ辞めるべきである。
変わりに原価計算の仕方を改革するべきである。
今の原価計算・経営方針を続けていれば・・・遠からず会社は経営危機に見舞われるだろう。
いつやるの?今でしょ?
すでに手遅れ?
でも可能性はあるでしょ?