携帯電話輸入、初の1兆円突破 国内勢は海外生産移転…歯止めかからず
たぶん・・・こういうニュースを見る度にSIerの経営者は「もっと中国オフショア開発の比率を増やさなければ!!」と言った誤った考えを深めるんだと思います。
主な製造業が海外で行なっているのは「設計」では無く「製造」だと思います。
SIerの経営者の人って・・・コーディングを「製造」だと考えようとしているんだと思います。
ハッキリ書きましょう。
「コーディングは設計です!!」
たぶん・・・SIerの経営者の人が考えるソフトウェアの設計・製造工程って
- 顧客要件を纏める
- 外部設計をする
- 内部設計をする
- 詳細設計をする
- ビルド環境を作る
- コーディングをする
- ビルドする
- リリースする
だと思うんですよね。
ウォーターフォール型の開発モデルって奴ですな。
赤字で示した部分を「製造」だと勘違いしていて(自らを騙して?)中国オフショア開発で達成できる工程だと思い込んでいるんだと思います。
そして赤字で書いた部分が収支上も赤字になる温床だと私は思っています。
私の考えるソフトウェアの設計・製造工程を以下に示します。
- 顧客要件を纏める
- 内部設計をする(ここで基本アーキテクチャを決める)
- 外部設計をする(顧客要件と基本アーキテクチャが決まっていれば自然と適切なUIが導き出される)
- ビルド環境を作る
- コーディングをする(重要な事はコメントに書く等してソースコードの可読性を最大限高める)
- ビルドする
- (必要ならばソースコードの補足資料として)詳細設計を書く
- リリースする
同様に「製造」だと思う部分を赤字で示しました。
私の考えではソフトウェア開発における「製造」はビルドのみだと思います。
ビルド環境ができていればビルド作業自体はコマンドを叩くだけ(あるいはIDEのメニューからビルドを選ぶだけ。)です。
オフショアで行う意味が無いですよね?
SIerは斜陽産業だという意見を良く聞きます。
私も業界全体が変わらない限り斜陽産業だと思います。
実際ITデフレは現在進行中ですよね?
個人投資家兼SIerで働く者としての私の感想では
「このままだったら既存のSIerはすべていずれ経営難に陥って廃業する。そして一般企業が自社のITシステム構築を頼める相手が居ない事に気づいてから新しい形のSIerが勃興する。あるいは一般企業が自社でITシステムを構築するようになる。」
という未来が待っていると思います。
実際アメリカではIBMに巨額の予算を割いてITシステムの構築を頼むか自社でITシステムを構築するかですよね?
日本もいずれそうなると思います。
ホントはそうならないようにSIer内部から改革をしたいと思っていて今までも自分の出来る範囲で頑張ってきましたが・・・
正直万策尽きました。(^_^;)
そもそもまずは顧客の理解が得られなければ正しい工程でソフトウェアを製造する事は予算や納期的に無理だし・・・
SIerの経営者が机上の収支計算に走る気持ちもわからなくはないんだよねぇ・・・(^_^;)
最近明るい未来が思い描けないです・・・
中国の人件費も上がって来たしアベノミクスで為替も円安に向かっているから・・・早晩机上の収支計算も破綻するだろうし・・・ハードランディングが待っているのかなぁ・・・(^_^;)