SIGMAのカメラシステムはその画像センサとレンズ設計製造技術によって素晴らしいハードウェアとなっています。
しかしながら2012年12月04日現在SIGMAのカメラはAdobeのエコシステムにRAW対応されていない現状です。
Adobeのエコシステムは写真を扱う上ではProも利用する一般的なエコシステムと認識しています。
ここで使えないと言う事はマイナー過ぎて利用できない事を意味します。
マニアの玩具の域を出ていないという事を意味します。
私はこの点が2013年後半までに改善されなければSIGMAのカメラシステムを見限ると思います。
とは言えFoveonは気に入っているのでそのような事にならない事を祈っています。
12月にも入るとその1年を振り返る物です。
私にとって2012年は「SIGMAのカメラシステムを試す。」と言う特別な1年でした。
2012年初頭までの私はSONYのユーザでした。(注:今でもSONYのカメラシステムも使っています。)
2011年は発売から年月が経ち値下がりしたα900を手に入れてトコトン使い込んだと言う意味でやはり特別な1年でした。
しかしα900を使い込んだ事でパープルフリンジに代表される画像センサ由来の偽色に悩まされた1年でもありました。
2011年に画像センサの構造を(表面上)理解しFoveonX3ダイレクトイメージセンサーというソリューションがある事を知った私は2012年初頭悶々としていました。
「35mmフルサイズの画像センサのカメラに慣れた私がAPS-Cならまだしもそれより小さい画像センサのカメラを使うのは・・・」と。
しかしCP+2012にてSIGMA社はSD1Merrillを発表しました。
これは製造歩留まりが悪く高価であったAPS-CサイズのFoveonセンサの製造工程を見直し、性能はそのままに価格を大幅に下げる事に成功した同社が「ジェネレーションMerrill」と呼ぶ画像センサを使う事で価格を他社の中級機並に下げる事に成功したデジタル一眼レフカメラでした。
私は発売日に購入し色々試して見ました。
SD1Merrillでも真夏の太陽の反射光等強い光を入れれば光飽和によりパープルフリンジは発生しました。
しかしそれはα900と比べると無視できる程度のレベルであり妥協できる出方でした。
赤が異常に飽和し易いのも体験しました。
しかし、SD1MerrillのファームウェアVer1.02よりこの傾向は緩和され、2012年12月04日現在の最新ファームウェアVer1.04ではRAW現像の仕方次第で対処可能なレベルに押さえられています。
SIGMAは元々レンズメーカであるため素晴らしいレンズもありハードウェアとしては概ね満足できる物でした。
しかし・・・私は甘かったです。
まさかAdobeにRAW対応されない事に対処しないままカメラの販売を続けるメーカがあるとは・・・
通常カメラメーカはカメラの発売開始前に試作品や技術データをAdobeに送りRAW対応をお願いするそうです。
Adobeのエコシステムに組み込まれる事がカメラの売上に直結するからと聞いています。
SIGMAは本気でカメラを売る気があるのか?
私はユーザとして行える行動をすべて試みてみました。
日本のAdobeにも電話で確認しましたが、日本のAdobeには一切情報は無いそうです。
ただし、カメラの発売時期からして今の段階でサポートされていないという事はSIGMA社からのアプローチが無い限り今後もサポートされる可能性は無いとの事。
今は様子を見ている段階です。
私は期待しています。「すでにSIGMAとAdobeの交渉は始まっていてCP+2013でSIGMAからAdobeがSD1Merrill以降のカメラのRAWに対応する事が発表され数ヶ月の後に実際にRAW対応される。」という事を。
しかし来年後半になってもRAW対応される気配が見られなければ・・・私は決断しなければならないと考えています。「SIGMAのカメラシステムを見限る。」と。
そのような事態にならない事を祈っています。m(_ _)m
そして2013年がSIGMAが一流のカメラメーカの仲間入りをする飛躍の年となる事を願っています。
ちなみにSIGMAを諦める場合再びSONYのカメラシステムに戻るつもりです。
パープルフリンジに関しては私は自分のα900をSONYに送って検査してもらいサポートの人とも話しをしました。
それが影響しているのかどうか判りませんが、α99では「“α900”比で飽和信号量比較において約2.3倍」だそうです。
またローパスフィルターも再設計して偽色を軽減しているそうです。
SIGMAがダメな場合・・・代替策として試してみる価値はあると考えています。
来年後半なら多少は売値も下がっているだろうし、中古が出まわっているかもしれないしね。(^^)
でもFoveonを使い続けたいなぁ・・・
こんにちは♪
SIGMA社長のtweetはいつもチェックしてますよ♪
それに、質問には必ず返事をくれるので、その姿勢は素晴らしいとも思っています。きっと大変ですよね。いろんなこと言われていると思うので(笑)
Adobe対応については、もう何年も前から要望を上げている人が無数にいて、もちろん認識しているはずですが、それが実現しないのは、何か知りえない難しい理由があるのかもしれませんね。
それから、シルキーピクスの方も開発者側では対応に向けて開発はしているという発言を、どこかのブログで見たのですが、それも実現していません。
その点でも技術的に何かハードルがあるのではないかと勘ぐるところです。
個人的には、やはりFOVEONのMerrillセンサは周辺部の色が、補正無しではダメな事が起因しているのではないかと思うのですが。。。
他社製レンズのみならず、SIGMA製の少し前のレンズでも、対応していなければ周辺が緑被り(赤不足)です。垂直に光が入射しない部分は色補正頼みという事ですね。
補正でもなんでも、結果が良ければ個人的にはOKですが。
そうなると、カメラボディとレンズの組み合わせに対応した色補正プロファイルまで作るのでしょうから、なかなか難しいというか手間なのではと思います。
歪曲とかブラー補正とはまた違う部分ですしね。
ヨーさん。ご訪問&コメントありがとうございます。
過去にはAdobeがSIGMAのカメラをサポートしていた事実と今回動いて判った事実を突き合わせて考えると、AdobeとSIGMAの間には何か確執があるのかも知れないですね。
デジタルにした時点で完全な色の再現など無理な話な訳ですから個人的には色の補正はやって当たり前だと思っています。
Nikonのカメラでフェラーリを撮るとおかしい色になるなんて話も聞きますし、どこのメーカもファームウェアレベルで普通に行なっている事だと思います。
SD1MerrillもファームウェアVer1.02から赤の飽和が少し緩和されたように感じられるのでファームウェアレベルで色の補正はしているのだと思うのですが・・・画像処理エンジンの性能不足で大掛かりな補正は出来ないのかも知れないですね。
この辺りは大手カメラメーカとの力の差が出てしまっているのかも知れません。
本日記事にしましたがSIGMAのサポートからもオブラートに包んだ表現で「Adobeと交渉はしない。」と回答が来たので・・・SIGMAのカメラシステムを使うのを止める事を真剣に考えたいと思います。
自動車のロータリーエンジンのようにいずれ消え去る運命のシステムならそのノウハウを蓄積しても無駄になるので・・・
もう一度α900に戻って自分の写真を考え直したいと思います。
ピンバック: SD1MerrillのRAWがAdobeに対応される事は期待できないようです。 | marbee's blog